わたしたちが生きる太陽系には8つの惑星があります。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。このうち、水星、金星、地球、火星は地球型惑星と呼ばれ、比較的小さく、岩石と金属の固体でできています。サイズ(大きい)や密度(小さい)による広義の木星型惑星はそれ以外の4つ、さらにガスでできている木星と土星を木星型惑星、あるいは巨大ガス惑星と呼び、氷のマントルを持つ天王星と海王星を天王星型惑星、あるいは巨大氷惑星や巨大固体惑星と呼びます。
地球より太陽に近い水星・金星は月と同じように満ち欠けがあるので、見る時期によって形が変わります。
1.水星
直径4,879km 公転周期88日 視等級 -2.5~5.5
水星には大気はほとんど存在せず、温度差が非常に大きくなっています。表面温度は平均179℃ですが、温度変化は-160℃から400℃におよびます。水星には地球と同程度な大きな鉄の核が存在します。表面は月のように無数のクレーターに覆われています。太陽に近い軌道を回っているため日の出前か日の入り直後の低い高度でないと観測できません。
2.金星
直径12,103km 公転周期225日 視等級 -4.6~-3.9
金星は二酸化炭素を主成分とし、わずかに窒素を含む大気が存在します。大気圧は非常に高く、地表で約90気圧になります。膨大な量の二酸化炭素によって温室効果が生じ、地表温度は平均470℃に達します。非常に明るい天体で、「明けの明星」「宵の明星」とも呼ばれます。月と同じように満ち欠けし、見かけの大きさも変化します。
3.火星
直径6,794km 公転周期687日 視等級 -3~-1.6
火星には二酸化炭素を主成分とした非常に薄い大気が存在します。大気が希薄なため、熱を保持する作用が弱く、表面温度は平均-63℃、最高でも20℃です。火星の表面は主として玄武岩と安山岩から成っています。火星が赤く見えるのは、地表に酸化鉄が大量に含まれているためです。表面にはクレーターや火山、峡谷などが見られ、水が流れた跡のような地形も数多く残されています。現在でも地下には水があると考えられており生命の存在が期待されています。
4.木星
直径142,984km 公転周期11.86年 視等級 -2.9~-1.6
木星は太陽系最大の惑星で、直径が地球の約11倍、体積は1300倍もあります。ほとんどが水素とヘリウムでできたガスのかたまりですが中心部には個体の核があると考えられています。表面には大赤斑と呼ばれる巨大な赤い斑点模様が見えます。多数ある衛星のうち4つの衛星は特に大きく、ガリレオ衛星と呼ばれており、時間をおいて観察すると木星の周囲を公転している様子を見ることができます。
5.土星
直径120,536km 公転周期29.5年 視等級 -0.4~1.5
土星は木星に次いで太陽系で2番目に大きな惑星です。密度が小さく大きなプールがあれば水に浮かべることができるほどです。
土星も、木星と同様、ほとんどが水素とヘリウムでできています。表面には水素を主成分とする厚い大気層が存在します。土星最大の特徴である巨大な環は岩石や氷の粒の集まりで、小型望遠鏡でも見ることができます。
6.天王星
直径51,118km 公転周期84.3年 視等級 5,3~5.9
天王星の特徴に、公転軸に対して自転軸が98度も傾いていることがあります。このため、天王星の北極や南極の真上に太陽がくることがあります。水素を主成分とし、ヘリウムとメタンを含むガス層のために青みがかった色に見えます。
7.海王星
直径49,244km 公転周期164.8年 視等級 7.8~8
海王星は太陽から最も離れた位置を公転する惑星です。太陽から約45億kmも離れているため表面温度は-220度近く、極寒の惑星です。天王星より青みが強く見えます。巨大な衛星トリトンを持ち、もともとは冥王星のような太陽系外縁天体が海王星の重力によってとらえられたものだと考えられています。